「法と良心派」の硬骨漢が、間違っても最高裁判事にならないよう、地方勤務で飼い殺す。まさに「絶望の裁判所」だ。
2016年5月号 LIFE [嗚呼、良心より立身!]
稼働中の原発を止める裁判官が初めて現れた。一方で、東京電力福島第一原発事故などなかったかのように、いともたやすく原発の再稼働を認める裁判官もいる。この違いはどこから来るのか。2回にわたってレポートした「『安倍独裁』許す最高裁」の番外編として、裁判官の「良心」に踏み込んでみたい。
憲法76条3項には「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される」と定められている。裁判は国などの影響を受けない裁判官が法と良心に基づいて行うはずだが、福島の事故後、原発再稼働をめぐる判断は大きく揺れ、国などに配慮したとみられる判断もある。順に検討する。まず大阪地裁が2013年4月、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働差し止めを求めた周辺住民の仮処分申し立てを却下(①)。住民側は即時抗告したものの、大阪高裁は14年5月に却下した(②)。 ………
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