中国「消費シフト」拙速の罠

一人当たりGDPで「1万ドルの壁」。国有企業を抱え、二次産業未熟のままでは、成長停滞国の仲間入りへ。

2016年5月号 BUSINESS [まだ早い脱工業化]

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中国主導で鳴り物入りだったアジアインフラ投資銀行(AIIB)は、昨年末に惨めなスタートを切った。AIIBの資金調達のため発足当初に発行する債券が「格付けなし」となったのだ。国際機関債で無格付けとは前代未聞だが、中国経済の先行き不安を暗示している。国の経済発展には、世界に通じる自由貿易体制が欠かせない。それは経済学の歴史でもある。しかし、中国はこれまで自国経済への影響からTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加は消極的だった。というか、今のTPPでは中国が参加できない理由があるのだ。

高すぎたTPPのハードル

TPPには貿易だけでなく投資の自由化(TPP第9章)も含まれている。しかし、中国は社会主義なので、生産手段の私有化を前提とする投資の自由化は基本的に受け入れられない。またTPPでは国有企業が大きな障害になる(同第17章)。外国企業が国有企業と対等な競争条件で事業を行うことができ ………

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