不動産の高値取引が勢いづいてきた。行き場を失ったカネが流れこみ、今や発火点寸前。
2016年5月号 BUSINESS
さる2月、東京・銀座で坪2億円を超える商業ビル売買が成立した。公示地価の実に2倍近い価格で、坪単価では過去最高記録である。買い手は日本リテールファンド投資法人。東証に上場しているJ−REIT(不動産投資信託)だ。130億円を投じて取得した「Gビル銀座中央通り01」の想定利回りは2.8%。J−REIT53銘柄の平均分配金(配当)利回りが約3.3%だから、この物件に限れば逆ざやだろう。明らかに将来の物件価格・賃料上昇を当て込んだ高値買いだ。同じ2月、やはりJ−REITのGLP投資法人が野村證券と金利スワップ契約を締結。53億円の借入金について、実質金利を▲0.009%に固定した。J−REIT史上初のマイナス金利調達であり、不動産取引でお金を借りて金利を受け取るという椿事である。3月にはヒューリックリート投資法人が301億円の増資を実施。ほとんどのJ−REITが増資、銀行借り入れによる規模拡大の機会をう ………
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