大学入試「拙速改革」が火ダルマ

「考える力」重視がとんだ生煮え。袋叩きの最終報告案に、安倍教育改革の前途は真っ暗。

2016年4月号 DEEP

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東京五輪が開催される「2020年」は文部科学省にとってつくづく鬼門である。担当した新国立競技場の整備計画が白紙撤回に追い込まれたのに続き、「明治以来の大改革」(下村博文・前文科相)と意気込む大学入試センター試験の後継テスト(2020年度開始予定)をめぐる改革も時期尚早論の噴出で火ダルマとなっているのだ。16年度予算案には関連経費を含め50億円も計上しているだけに、議論の膠着状態が続けば巨額の血税が無駄になりかねない。「そもそも高校や大学がどういう方向性をめざすべきか。ビジョンの書き方が薄い」「今の時点で大きな理念を語ることはこの会議の目的ではない」東日本大震災の発生から5年の節目を迎えた3月11日夕。東京・虎ノ門の文科省3階の講堂では普段は温和な学者たちが口角泡を飛ばしあっていた。大学入試センター試験の後継となる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」 ………

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