春節に花火爆竹を禁じられた上海市民。江沢民を凌駕する「中核」の座に近づいた習近平の集権化、強権化はどこまで進むのか。
2016年4月号 GLOBAL
春節(旧正月)の上海は過去にない静寂に包まれた。6月の上海ディズニーランド開業を控え、さぞ盛り上がるのかと思ったが見当違いだった。居住人口2400万人の半分近くを占める出稼ぎ労働が故郷に戻り、町中が閑散とするのはいつものことだが、花火や爆竹の音まで全く消え去ったのである。物音一つしない上海の春節はいかにして習近平政権下で生まれたのか――。今年は2月7日が旧暦の大みそかだった。サル年に変わる翌8日にかけての年越しは、邪気を払い、家族がつつがなく暮らせるようにと花火を打ち上げ、爆竹を鳴らすのが中国、正確に言えば人口の大半を占める漢族の伝統だ。例年、大みそかの午後10時過ぎには気の早い市民が花火爆竹を始め、午前零時のピークは耳をつんざく音が夜空に響き渡る。農村も大都市も同じである。火事ややけどはつきものだが、庶民は「これを欠いては年越し気分が出ない」と続 ………
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