まさかの首相答弁が飛び出したのは、3月2日の参議院予算委員会。底の浅い反知性主義が露呈した。
2016年4月号 POLITICS
大阪はミナミ、串カツ店などが並ぶ新世界にそびえるシンボルタワー・通天閣。市内を見晴らす地上100メートルの展望台に、とんがり頭に吊り上がった目で、座って両足を突き出す子ども姿の木像がある。人呼んで「ビリケン」。米国発の「幸福の神様」として世界に広まり、大正初期に新世界にやってきた。これに風貌がそっくりと評されたのが、長州閥の陸軍軍人から1916年(大正5年)に首相に上り詰めた寺内正毅だ。大正デモクラシーへの潮流に逆行する政党員排除の超然内閣を組織し、シベリア出兵も断行した。マスメディアは「非立憲(ひりっけん)」を引っかけて「ビリケン内閣」だとこき下ろした。2年後に、米騒動で退陣する。「政治はもとより憲法に違反してはならぬ。しかも憲法に違反しないのみをもって、直ちに立憲だとはいえない。違憲ではないけれどもしかも非立憲だとすべき場合がある。立憲的政 ………
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