キャメロン首相は残留へ先手打つが、後釜を狙うロンドン市長が離脱支持で「台風の目」。
2016年4月号 GLOBAL
英国は「EU(欧州連合)離脱か残留か」を問う国民投票を6月23日に実施すると発表した。デビッド・キャメロン首相は、少なくとも今後数十年先の英国経済の命運を決め、その国際的立場を左右する決断になるとしている。これに対して、英国はEUを離脱(Brexit)すべしと主張するEU懐疑派は、難問山積の欧州大陸の軛(くびき)から解き放たれ、英国が独力で歩む道を選ぶチャンスだと訴える。大陸諸国は固唾をのんで国民投票の行方を見守るが、欧州の遠い将来もこの英国民の選択にかかっているかもしれないからだ。
キャメロンが、EU残留へ国民を説得する材料としてEU諸国から取り付けた「EU改革案」は、英国がすでに大陸から半ば切り離された存在であることを浮き彫りにした。英国はすでにユーロ通貨圏やEU域内を自由に移動できると決めたシェンゲン協定の外にいる。もし6月の投票でEU残留が多数派になれ ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。