2016年3月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
甘利明経済再生担当相が電撃辞任。閣内最大の理解者、後ろ盾を失った菅原郁郎事務次官ら経産省幹部の焦りは濃い。経産省は元経産相だった甘利氏の政治力を頼りに財政再建原理主義の財務省を抑え込み、積極成長路線のアベノミクスを推進してきた。経産省幹部は「アベノミクスは官邸と直接やり取りしてきた。甘利さんは関係ない」とうそぶく。しかし、昨年末の法人税引き下げ騒動のように麻生太郎財務相と正面衝突する場面では、甘利氏の調整力に頼ってきたのは周知の事実。一方、林幹雄経産相は閣内の存在感が薄い。派閥のボスである二階俊博総務会長に付き従い、国土強靱化、つまり災害対策の名を借りた公共工事以外には関心が薄く、頼りにならないのだ。煮え湯を飲まされ続けた財務省が、ここぞとばかりに巻き返しに出るのは間違いない。甘利大臣の後任の石原伸晃氏は、安倍首相の古くからの「お友達」 ………
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