アラムコ「4兆ドル上場」の慈雨

マッキンゼー報告にヒント得たサウジ版サッチャリズムの原資。ウォール街は欣喜雀躍するが。

2016年3月号 BUSINESS

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正月明け、米ウォール街が欣喜雀躍した。「サウジアラビアが国営石油会社アラムコの株式公開を検討」と報じられたのだ。英エコノミスト誌新年号のスクープで、サウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子がインタビューに応じ「今後数カ月で(アラムコ上場が)決定される可能性が高い」と述べた。30歳のムハンマド副皇太子は、昨年初めに即位したサルマン国王の息子で、王位継承順位は第2位。国防相とアラムコを管轄する経済開発評議会議長を兼任する。こんな実力者が「私としてはこの取り組みに強い意欲を持っている」と語ったから、世界的なニュースとなった。その1週間後、アラムコのハリド・ファリフ会長が、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューに登場し、「本体の上場には上流部門が含まれる」とムハンマド副皇太子の発言を裏付けた。バンカーらが喜ぶ理由は、ずばりカネである ………

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