「制裁解除」イランの仮面の下

「強硬派と現実派」は作り話。実際は協調して革命防衛隊を維持。米国も承知の上だ。

2016年3月号 GLOBAL

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イランのハッサン・ローハニ大統領は欧米諸国による経済制裁の一部解除を受けて1月25日から欧州を訪問、イタリアではインフラ整備などの経済協力で合意し、フランスではエアバス118機の購入やプジョーとの4億ユーロ相当の自動車生産合弁計画、トタル社への原油輸出などの商談をまとめて帰国した。イラン大統領による欧州訪問は実に16年ぶり。1月16日、国際原子力機関(IAEA)が、欧米のイラン経済制裁解除の条件とされたイランによる核開発制限措置の完全履行を確認したため実現した。制裁前はイランの最大の貿易相手であった欧州との貿易額は現在76億ユーロまで縮小しているが、イランはそれを制裁前の280億ユーロまで引き上げることを目標としており、歴訪はその第一歩だった。

現実主義はうわべだけ

一連の首脳外交はイランの国際社会への復帰を象徴するイベントともなった。だが、欧米諸国、とりわけ米国が今後イランと ………

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