中国軍「反腐敗の旗手」退役の謎

軍改革の始動前夜、上将で「紅二代」の劉源がまさかの脱落。習近平の忠臣に何が?

2016年2月号 GLOBAL

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習近平国家主席(共産党総書記)の絶対権力確立の総仕上げとなる人民解放軍改革(軍改)がついに本格始動した。2015年12月31日、軍上層部の執務室が置かれるとされる北京の軍事ビル「八一大楼」で式典が開かれ、「陸軍司令部」「火箭(ロケット)軍」「戦略支援部隊」という三つの新組織が発足。習は軍トップの党中央軍事委員会主席として司令官たちに軍旗を手渡し、「中国の『強軍の夢』を実現するための重要な策略だ」と軍改の意義を強調した。そして同じ31日、その2週間前から囁かれていた、ある“重大人事”が事実と確認された。軍の兵站を統括する総后勤部の政治部長を務めていた劉源(上将)の「任期満了による退役」を、中国国防省の定例記者会見で報道官が公式に認めたのである。軍改の始動と劉の退役。二つが重なったのは偶然ではない。劉は、習が進める「反腐敗キャンペーン」の軍内での旗手で ………

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