もとはネットカフェ難民向け労務管理ソフトだが、本物の難民を救う「福音」になろうとは。
2016年2月号 BUSINESS
懐かしや、ドイツのゲアハルト・シュレーダー前首相(71)が、読売新聞1月4日付朝刊のインタビューに登場した。本誌主催講演会(13年12月)から約2年遅れだが、欧州を悩ます難民問題について「受け入れは正しいが計画性を欠いた」と語っていた。パリのテロもあり東欧では「国境で追い返せ」と排外主義が強まって欧州連合(EU)の理想は風前の灯なのだ。そこに日本のベンチャー企業で労務管理ソフトの「キズナジャパン」が、難民のみならず、貧困層労働者を社会に溶け込ませ「貧困と格差を減らす」フィンテック(FinTech)システムを世界に広げようとしている。難民殺到に備えて英貿易投資総省などから早くもアプローチがあったという。
キズナの創業者、高崎義一は、かつて落ちこぼれて神戸で飲食店を経営していたが、95年の阪神大震災を機に起業した。ネットカフェ難民を何とかできないかと勤怠、勤 ………
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