「ドーピング」で国際陸連も袋の鼠

国ぐるみ隠蔽でロシアは出場停止。加担した前会長ら最高幹部も1月に第二の「津波」。

2016年1月号 DEEP

  • はてなブックマークに追加

2014年4月12日、スポーツ専門弁護士として世界的に著名なマイケル・ベロフのロンドンの事務所に、ある宣誓供述書が届いた。陸上競技の統括団体、国際陸上競技連盟(IAAF)最上層部の汚職を告発する内容だった。陸上競技始まって以来の大スキャンダルが幕を開けた瞬間である。IAAFの独立倫理委員会議長でもあるベロフ弁護士は、かつてスポーツ仲裁裁判所の仲裁人を務めるなど、この分野で輝かしい経歴をもつ。だが、あらゆることを見聞きしてきた彼でさえ、この4ページにわたる文書に暴露された内容には開いた口が塞がらなかった。無理もない。そこには、ドーピング違反を隠蔽するため女子マラソンのリリア・ショブホワがロシア陸上(競技)連盟の役員らに45万ユーロ(約6千万円)を支払ったことが暴露されていた。これ自体、重大な違反だが、問題はそれだけではなかった。ロシアのドーピング検査結果の ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。