「衆参ダブル選」の裏の裏

首相が「1月4日の国会召集」を明言したのは、6月1日衆院解散・7月10日同日選を公然と宣言したに等しい。

2016年1月号 POLITICS [公明党に「毒まんじゅう」]

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衆参ダブル選を語る政治のレトリックは、伝統的に2通りだった。「あると見せかけて、ない」のがブラフ(はったり)。政局引き締めのため政権がよく使う手である。反対に「ないと思わせて、ある」のは「死んだふり解散」。緻密さと大胆さを要する芸当なので、これまで1986年の中曽根康弘政権しか成功していない。今回、安倍首相は新しい話法に挑戦している。すなわち「あると見せかけながら、ある」ダブル選。秋以降、ダレ気味の与党内に緊張感をもたらす効果と共に、「あると見せかけているんだから、ないんだろう。ブラフだ」と思い込もうとする政治通の裏を掻く戦法である。16年7月を目指して、すでにレールは着々と敷かれている。早々と名付けるなら、「あるある解散」とでも呼ぼうか。16年度税制改正に仕掛けはいくつも埋め込まれた。最大の焦点だった消費税率上げに伴う軽減税率の規模が、官邸主導 ………

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