あるはずもない「別の受け皿」。風前の灯の核燃料サイクルに、日米原子力協定延長も危うくなった。
2016年1月号 BUSINESS
ついに年貢の納め時を迎えたようだ。原子炉で消費した以上の核燃料を生み出すという夢物語に、1兆円以上の国費を投入しても一向に実用化のめどが立たない高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)のことである。ずさんな管理で運転を封印された運営主体、日本原子力研究開発機構(原子力機構)にとうとう原子力規制委員会が見切りをつけ、別の受け皿を半年以内に確保できなければ廃炉もやむなし――との初の勧告を所管官庁の文部科学省に突きつけた。だが、日米原子力協定で例外的に認められたプルトニウムなどの使用済み核燃料を再処理して利用する「核燃料サイクル」の戦略施設だけに、廃炉にすれば、核兵器に転用できる余剰プルトニウム「不保持」の国際公約が反故になりかねず、核管理の元締である米国も黙っていまい。ボールを投げられた文科省は、当事者能力のなさを見せつけた。「資源のないわが国だから ………
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