「異次元」安売りのむくい

2016年1月号 連載 [いまここにある毒]

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これほど「異次元」の安売りも珍しい。11月28日、フィギュアスケートのNHK杯で羽生結弦選手が総合得点で300点の大台を突破、322.40点の世界最高を記録したことだ。映画『陰陽師』の邦楽調メロディーに乗った演技は、次々と4回転ジャンプを成功させ、まさに“神業”だった。選手本人が絶句するのは無理もないが、翌日の新聞・テレビ・雑誌まで一斉に「異次元」と形容したのには呆れた。声を上ずらせた実況のアナウンサーが、おそらく用意していたキメ台詞「次元が違います」をパクっただけ。なんてお手軽な賛辞だろう。せっかくの壮挙に水を差してしまった。なにしろ「異次元」緩和のご本尊である黒田日銀が、2年半前のサプライズはとうに色褪せ、流通市場の国債も干上がって、追加バズーカは手詰まり。利上げへ動くイエレンFRB(米連邦準備理事会)を羨むばかりのご時世だ。「異次元」を安売りしすぎたむ ………

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