落日のオバマ政権、TPP発効「困難」が大勢

2016年1月号 BUSINESS

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「各国の迅速な審議と承認を待ち望む」――。環太平洋経済連携協定(TPP)をまとめた日本や米国など12カ国の首脳は11月、フィリピン・マニラに集い、協定発効に向けて速やかに議会承認を得ると宣言した。あえて「共通の目標」を掲げた首脳らの念頭には「制御不可能な米国議会」への警戒があった。5年越しの交渉の決着は、通商の世界における快挙であり、安倍政権は「日本の交渉力の勝利」「成長加速」をアピールする。その喧伝を聞く限り、TPPの実現は間近に思えてくる。が、協定の発効には、各国の手続きが不可欠だ。特に域内経済規模首位の米国と2位の日本が批准しなければ、協定は発効しない仕組みであり、米議会の承認審議が、その命運を左右する。ところが、米議会関係者は「オバマ在任中の承認は難しい」「2016年11月に迫った大統領選と上下両院選の重圧が、行く手を阻んでいる」と口を揃える。与党 ………

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