「難民苦」トルコは安定政権選ぶ

やり直し選挙でクルド系政党を押さえ過半数。欧州との難しい分担交渉に有利な立場。

2015年12月号 GLOBAL

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11月1日のトルコ議会のやり直し選挙は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領率いる与党、公正発展党(AKP)が過半数を大きく上回る議席を得て、単独政権に返り咲いた。6月の総選挙では強権政治を批判されて過半数を割り、連立も難航して膠着状態に陥っていたが、トルコの有権者は難局打開のために安定政権を選択した。9月にシリア空爆と同時にクルド人反政府勢力掃討作戦を再開していたエルドアンは、思惑通りクルド系の国民民主主義党(HDP)を80議席から59議席に後退させて主導権を回復した。これでシリア難民をめぐる欧州との難しい交渉に有利な立場で臨むことができるだろう。

欧州もトルコに秋波

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