2015年12月号 BUSINESS
「¥=日本円」といえる時代が、国際社会で終わりつつある。国際通貨基金(IMF)が11月末にも「特別引き出し権(SDR)」と呼ぶ準備通貨に、中国の人民元を採用する見通しとなった。元(Yuan)は、米ドルや円などに続く5番目のSDR採用通貨となり、名実ともに「国際通貨」に躍り出る。円と同じ¥記号で表される元は、決済通貨としての世界シェアを拡大し、円を抜き去る勢いだ。アジアの代表通貨が円ではなく、元となるのは時間の問題だろう。SDRは、IMFが188の加盟国に出資比率に応じ、割り当てる仮想の通貨。金融危機に陥った国はSDRを使って他の国からドルなどを調達できる。その価値は現在、ドル、ユーロ、英ポンド、円の加重平均で算定され、1SDRは約1.4ドル。5年ぶりとなる採用通貨の審査は、11月にも結論が出る。米国は強大な軍事力に加え、基軸通貨ドルによって覇権国家の地位を築いた。中国の習近 ………
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