下村前文科相の「負の遺産」だが、噛みつく大学側も積年の不満のウップン晴らし。
2015年12月号 DEEP
今年6月8日付で公表された文部科学省の「国立大文系廃止」通知騒動の火種がくすぶり続けている。白紙撤回に追い込まれた新国立競技場問題で引責辞任した下村博文前文科相の“負の遺産”の一つだが、大学関係者の間で悪名高いことはもちろん、元国語教師で後任の馳浩文科相も「32点ぐらいしか出せない」とこき下ろすほどの出来の悪さだ。ただ、真相を追うと、国立大側に充満した積年の大学行政への不満が、今回の通知問題で一気に炎上した面もある。「誤解を与える表現だった。人文社会科学系を根こそぎなくす考えはない。廃止はスクラップ・アンド・ビルドの意味だ」10月26日午後、国立大を所管する文科省高等教育局幹部は省内の一室で陳謝と釈明に追われていた。相手は国立17大学人文系学部長会議の代表を務める信州大人文学部の吉田正明学部長らだ。国立大の人文系学部の全廃を求めるかのような6月の通 ………
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