米利上げが年末と重なり、リーマン危機以来の「上乗せ金利」出現。日銀は国債リスクを鯨飲するばかり。
2015年12月号 BUSINESS [ジャパン・プレミアム再び]
国債を大量に保有する邦銀にとって、金利上昇に伴う債券相場の下落は悪夢である。そういわれながら、日本国債の利回りは「コンマいくつ」の低水準で推移している。金利上昇のリスクはあたかも、オオカミ少年のように扱われてきた。だが油断大敵を絵に描いたように、国債をめぐる環境は様変わりしつつある。今年9月に米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、日本国債の格付けをAAマイナスからAプラスへと1段階引き下げた。国債の格下げに伴って、日本の銀行や生命保険会社の格付けも引き下げられた。にもかかわらず、日銀の異次元緩和のおかげで、国債相場はピクリとも動かない。日銀による年間80兆円の国債買い入れの霊験は、かくもあらたかなのだ。10年物国債の利回りは11月第2週時点でも、0.3%台と空前の低水準。その一方、米国では連邦準備理事会(FRB)による12月の利上げを織り込む形で、米 ………
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