2015年12月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
やはりTPPには落とし穴があった。日本、米国、カナダなどの12カ国は5年半におよぶ環太平洋経済連携協定(TPP)交渉をまとめ、11月に英文で1500ページに上る協定文書案を公表した。日本政府は10月の交渉合意後、「コメなど重要農産物の関税を守った」と繰り返し成果を喧伝していた。ところが、先の協定文書には「相手国から要請があれば7年後以降に再協議」と、今回の交渉結果をひっくり返しかねない規定が潜んでいた。 しかも、この再交渉規定は日本を狙い撃ちにしたものと断言してよい。その理由はこうだ。TPP交渉で日本以外の11カ国は最終的に自国の輸入関税をほぼ100%撤廃(自由化率100%)する。他方、日本はコメ、麦、牛肉など重要農産物を関税撤廃の対象から外したため、自由化率は95%にとどまる。日本だけが5%分の再交渉の余地を抱え込んでいるわけで、遠からず米国や豪州がコメの関 ………
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