2015年12月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
11月4日、金融審議会の作業部会で、委員を務めるみずほフィナンシャルグループ(FG)の幹部を、金融庁の池田唯一総務企画局長(82年旧大蔵省入省)が叱りつける場面があった。事件は、金融とITを融合した「Fin─Tech(フィンテック)」への対応を議論する「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」の会合で起こった。この日のテーマは、企業の保有する売掛債権などをネット上で取引する電子記録債権の取り扱い。 現状では、全国銀行協会の「全銀電子債権ネットワーク」と3メガバンクが、それぞれ運営しているシステムが乱立している。金融庁は、中小企業の利便性向上の観点から4つの電子債権記録機関の一本化や相互接続を推進する方向で議論をリードしてきた。ところが、この期に及んでみずほFG幹部は「それぞれが競争することで利便性向上が図られる面もある」などと主張した。もとよりシステ ………
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