中国マネーに英国「拝跪」外交

キャメロン保守党政権は、7兆4千億円の実利優先。中台、南沙、尖閣などに沈黙を守るか。

2015年12月号 BUSINESS

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米国と中国の二国間関係が「航行の自由」問題やサイバー攻撃をめぐる対立で冷え込むなか、中国は世界で「友人の輪」を拡げるのに忙しい。習近平国家主席は「一帯一路」経済圏構想やアジアインフラ投資銀行(AIIB)など様々なプログラムを打ち出し、ロシアやパキスタン、ブラジル、カザフスタンなどの中央アジアの国々への援助や投資に湯水のごとく資金を使ってきた。その波は欧州にも押し寄せ、なかでも最大の標的は英国であることが、10月20~23日の習主席の英国公式訪問で明らかになった。デイヴィッド・キャメロン英首相が「最大400億ポンド(約7兆4千億円)」とはじく中国からの巨額投資の申し出は、財政赤字の削減に躍起の英国にとってまさに恵みの雨だった。老朽化の進む国内インフラの更新でも中国マネーの恩恵に浴し、特に今回合意したロンドンとバーミンガムを結ぶ高速鉄道の建設では、停滞す ………

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