生殺与奪の権を握った産業革新機構はどう出るか。シャープの金庫が底を見せる年末まで、時間がない。
2015年12月号 BUSINESS
シャープの経営破綻が現実味を帯びてきた。収益力不足から運転資金が枯渇しつつあり、来年3月に迫る5100億円のシンジケートローンの契約期間延長ができなければ事業の継続は困難だ。高橋興三社長は業績不振の原因を「中国におけるスマートフォン用ディスプレイの売上げ減少、この1点に尽きる」と断言し、カンパニー制導入などの打開策にかける。しかし中国のスマホ市場の環境は悪くなるばかり、後発のシャープが他社を押しのけ躍進するとは考えにくい。残された道はディスプレイ事業部門の分離・譲渡だが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業も匙を投げた模様。国策ファンドの産業革新機構(INCJ)に生殺与奪の権を握られている。「液晶のシャープ」が看板の液晶事業で沈みつつある。10月30日に発表した上期(4~9月)業績は予想を大幅に下回る減収減益。営業赤字は251億円(前年同期は292億円の黒字)、純 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。