2015年12月号 BUSINESS
安倍政権の看板政策「1億総活躍」に与党議員や官僚たちがしらけ切っている。何の根回しもなく浮上し、その中身が既存政策の焼き直しだったからだ。首相が「1億総活躍」を言い出したのは、再選直後の9月下旬。自民党の中堅議員は「党内手続きを経ず、突然出てきた。首相に吹き込んだのは今井尚哉首相秘書官だ。池田勇人首相の『1億総中流』をヒントに、古巣の経産省幹部と考え出したのが新3本の矢だ。党を蔑ろにしている」と声を荒らげた。「1億総活躍には一億玉砕や一億総懺悔を想起するなどという批判もあるが、全く逆の考え方から生まれたスローガンだ」と、首相は言うが、国民の理解はさっぱり進まない。10月末に開かれた「1億総活躍国民会議」のメンバーに選ばれた菊池桃子センセイから「1億総活躍の定義をご理解いただいていない部分があると思いますので『ソーシャル・インクルージョン』はどうか ………
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