2015年12月号 GLOBAL
FIFAスキャンダルの次はアスリートの本丸か――スポーツ界を蝕むカネの亡者摘発の津波が、8月に北京でアスリートの祭典「世界陸上」を開いたばかりの国際陸上競技連盟に及んできた。フランスの司法当局が11月4日、陸上界に16年間君臨してきた前会長のセネガル人、ラミーヌ・ディアク(82)を収賄と資金洗浄の疑いで捜査していることが明らかになった。前会長はロシア8選手の薬物違反をもみ消し、2012年のロンドン五輪出場を果たした見返りに、ロシアから総額100万ユーロ(約1億3千万円)を受け取った疑いがある。国際陸連ドーピング担当医にも20万ユーロが支払われたという。シカゴ・マラソンを三連覇したリリア・ショブホワの場合も、ロシア代表の元コーチを介して56万9千ドルが支払われた。辞任したロシア陸連バラフニチェフ会長は、国際陸連の財務担当であり、ロシアのスポーツ相ら政府が関与した可能 ………
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