中欧が悲鳴「難民1千万人が来る」

素通り、国境閉鎖、強制退去…それでも押し寄せる「津波」。ISのテロリストも紛れる。

2015年11月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

ベルリンの壁崩壊からほぼ26年経ち、域内の移動の自由を謳歌してきた欧州が、今や戦後最大の危機に直面している。アフリカ大陸や中東からの難民の群れが“津波”のように流れ込み、減る様子がないからだ。28カ国からなる欧州連合(EU)は途方に暮れている。域内のいくつかの国では難民の移動を阻止するため鉄道やバスが運行を停止して交通システムが混乱、難民が通過する国々の日常生活にも大きな支障が出ている。EU域内を自由に移動できると決めたシェンゲン協定と、その後締結された難民の取り扱いを最初の到着国に義務付けた「ダブリンⅢ規則」は、ほとんど有名無実と化した。難民が最初にたどりつくギリシャとイタリアは素通りさせるだけで、ブルガリアとハンガリーは国内に入り込まないよう、あらゆる強硬な手段で追い返している。一部EU諸国は国境線に鉄条網を張り、平和への道を歩み出そうとしてい ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。