「難民危機」メルケルにも逆風

ドイツの「超法規的」割り当てで、英仏や中東欧は「モラルの帝国主義」と不協和音。

2015年11月号 GLOBAL

シリアなどからの多数の難民の受け入れをめぐり、欧州連合(EU)の足並みが乱れている。EUの事実上のリーダー・ドイツに対して、英仏・中東欧諸国は不満を強めている。ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU)は、9月5日にシリアなど紛争国からの難民がドイツで亡命を申請することを許可した。これはEUの難民受け入れの基本原則である「ダブリン協定」を骨抜きにする「超法規的措置」だ。ダブリン協定によると、難民はEU圏内に入った最初の国で亡命を申請するよう義務付けられている。たとえばハンガリーに到着した難民は、同国で亡命を申請しなくてはならない。だが、メルケルは、ハンガリー政府の難民に対する冷遇ぶりを見て、同国で足止めを食っていた難民がドイツで亡命申請することを許した。この結果、9月5日以降、毎日5千人から1万人の難民がドイツに到着。ドイツ政府は同国 ………

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