ロッテ「ガバナンス」の葛藤

発端となった兄解任の謎を解く。日韓「一頭二体」のオーナー支配構造では、もはや対応できなくなっていた。

2015年10月号 BUSINESS [一族内紛劇の真相]

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ロッテ内紛劇の真相は、韓流ドラマの「骨肉の争い」とは大きく違う。根底には深刻なガバナンスの葛藤があった。いささか風変わりな株主総会だった。8月17日、東京・内幸町の帝国ホテル会議室で開かれたロッテホールディングス(HD)の臨時株主総会に出席した株主はたった1人だけ。カリスマ創業者、重光武雄名誉会長=本名・辛格浩氏(92)の姿はなかった。1月に解任されるまで同社副会長だった長男、宏之=辛東主氏(61)が正面の株主席に就き、向かいあう会社側役員席には、他の取締役とともに次男、昭夫副会長=辛東彬氏(60)が座っていた。ロッテグループは2015年3月期の日韓両国合わせた連結売上高(内部取引を除外)が約6兆4700億円に達する。日本では専らガムやチョコレートなどの菓子メーカーとして知られるが、韓国ではホテル、流通、化学、金融など多岐にわたる事業を展開。海外進出も活発で ………

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