つくば市住民投票「大敗」に黒幕

「新国立」に連動し305億円運動公園に「ノー」。裏は利権絡みで市議が市長に挑む政争。

2015年9月号 DEEP

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総事業費305億円の巨額運動公園整備費に、つくば市民が出した結論は「ノー」だった。8月2日、住民投票が行われ、賛成1万5101票、反対6万3482票で、反対が有効投票の80%を上回った。計画を推進していた市原健一市長(64)にとっては、想像以上の大敗である。突如、浮かび上がったのではなく、「公式記録が取れる陸上競技場を!」という声に押され、20年以上前に計画が策定され、98年には7カ所の候補地が選定されていた。現在、3期目の市原市長の初当選は2004年。懸案を解決すべく取り組み、13年に準備室を設置、14年に議会で用地購入を決定。19年の茨城国体や20年の東京オリンピックに合わせたスケジュールで進行させていた。だが、今年に入って住民反対運動が巻き起こり、5月に住民投票条例案が可決された。

「二択」で下地整う

大敗の原因はふたつ。一つは、同時並行となった東京・神宮外苑の新国立競技場建設問題に連 ………

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