アマゾンの軍門に下り、取次は潰れ、書店は消える。ミリオンセラーも「焼け石に水」か。
2015年9月号 BUSINESS
出版界に「アマゾンショック」が走った。6月下旬、“電子商取引の巨人”アマゾン・ドット・コムが、日本の中堅出版社6社(ダイヤモンド、廣済堂、主婦の友、インプレス、サンクチュアリ出版、翔泳社)の110タイトルの本を7月末までの期間限定で値引き販売するというニュースが流れ、書籍の卸問屋にあたる出版取次と大手書店は怒り心頭に発した。取次大手トーハンの藤井武彦社長は、自らその出版社社長に電話を入れ「御社との取引停止も考えざるをえない」と言い放ったという。紀伊國屋書店は対象の約110タイトルを店頭から撤収し、取次に返品するという強硬手段に訴えた。「(独禁法違反の)優越的地位の濫用ではないのか。戦うべきだ」という議論も一部の出版社内では出たものの、しょせん泣く子と地頭(取次・大手書店)には勝てない、と沈黙した。アマゾンショックに追い打ちをかけるように、出版取次 ………
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