キャピタルフライトの水先案内人は、バンク・オブ・シンガポールの第一人者、廣岡良博氏だ。
2015年8月号 BUSINESS
キャピタルフライト(資産逃避)対策の切り札になるか――。日本政府は7月1日、国外転出時課税制度、通称・出国税を導入した。有価証券など1億円以上の資産を持つ富裕層が海外に移住する際、含み益に課税するものだ。海の向こうのタックスヘイブン(租税回避地)に金融資産を移し、課税を免れようとする昨今の動きを水際で封じ込めようというわけである。「こちらでも今年春頃にずいぶん話題になってましたね」シンガポール在住の日本人によると、出国税は現地でも関心の的という。株長者をはじめとする日本の富裕層は今、大挙してシンガポールになだれ込んでいる。相続税がなければキャピタルゲイン課税もない、この人工的な金融都市国家は富裕層にとってパラダイスだ。目下の状況を鑑みれば、出国税はシンガポール移住対策と言っても差し支えない。そんなブームの裏側に一人の日本人プライベートバンカ ………
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