2015年8月号 BUSINESS
米国の法案審議がこれほど日本で注目されたのは、近年稀だろう。6月末、環太平洋経済連携協定(TPP)合意に不可欠な貿易促進権限(TPA=Trade Promotion Authority)法が成立した。オバマ大統領が署名式で「法案は一度ならず死亡宣告を受けた」と語ったように、与党民主党の抵抗で審議は長期化し、各国政府をやきもきさせた。ともあれ、米国は8年ぶりにTPAを取得でき、交渉は最終局面に入った。日米など12カ国は7月末に開く閣僚会合での大筋合意を目指すが、知的財産権の保護や投資分野などで難題が残っており、オバマが認めるように「タフな交渉が待っている」。仮に合意が成ったとしても米国が批准するには議会の承認が必要だ。TPAによってハードルは下がったが、TPPが死亡宣告を受ける可能性はゼロでない。オバマがTPPをレガシー(政治的遺産)として残すまで、まだ曲折がありそうだ。TPAは米議会が ………
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