大学ベンチャーをSMBC「鯨飲」

世耕官房副長官肝いりの官製VC。民間ファンドを圧迫、京大、阪大、東北大でホクホク。

2015年8月号 BUSINESS

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新国立競技場建設の杜撰(ずさん)な見積もりで国民の猛批判を浴びる文部科学省が、1200億円もの税金をドブに捨てるような政策を他でも推し進めている。2013年1月に閣議決定した「日本経済再生に向けた緊急経済対策」の目玉の一つ、「官民イノベーションプログラム」。国立大学の研究成果を活用する「大学発ベンチャー」への支援を目的とした官製ベンチャーキャピタル(VC)を大学内に設け、この官製VCに国立大学法人が出資することで事業化を推進する――というものだ。すでに東大、京大、阪大、東北大の4大学に1千億円が出資されているのだが、この「大学VC」、実に多くの問題を孕(はら)んでいる。民間VCのキャピタリストがこう指摘する。「このシステムの最大の欠陥は『投資をする側』と『される側』がどちらも同じ大学の人間だということ。文科省や各大学は、外部有識者を入れることでガバナンスが ………

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