川崎ドヤ火事「見ぬふり」の縮図

3畳一間にぎっしり単身の高齢生活保護者たち。大家もNPOも行政も違法は百も承知。

2015年7月号 DEEP

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「おーい! 誰か頼むよ~。こんなとこで死にたかないよ~」5月17日未明、絶叫が響きわたるなか、川崎市日進町の二つの簡易宿泊所は、あっという間に燃え尽き、死者10人を数える火災事件となった。遺体の損傷が激しく、身元確認には時間がかかると思われていたが、6月9日、神奈川県警川崎署は、全行方不明者の身元が判明と発表した。短期間で確認できたのは、宿泊名簿に記載された74人のうち70人が生活保護受給者(受給者)で、申請時、出身地や年齢、家族や親族などを申告していたからである。警察が遺体からDNAを採取、遺族などの協力を得て照合した。10人の死は重い。彼らは、なぜ「こんなとこ」で死なねばならなかったのか――。

築50年で濡れ手に粟

通称「ドヤ」の簡易宿泊所は、3畳ひと間が平均でトイレと風呂は共同。高度経済成長期、川崎市のドヤ街は、臨海部の工場地帯で働く肉体労働者の活気にあふれ、危険な匂い ………

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