ウクライナ東部安定化を待たず、安倍首相がオバマ政権にシグナル。「ロ中蜜月」はもはや座視できない。
2015年7月号 GLOBAL [ロ中接近に日米綱引き]
「現在の(ウクライナ)情勢下では、安倍政権が(ロシアと)business as usual(平常)な関係を追求しないという原則にコミットしていると確信している」5月21日、ダニエル・ラッセル米国務次官補(東アジア太平洋地域担当)がワシントンDCで記者会見してこう発言した。これは、米国のオバマ政権から日本の安倍政権の対ロシア政策に投じられた、ある種の牽制球だったと見える。筆者がそう判断したのは、同じ日に安倍晋三首相が、5月19日から来日中のロシアのセルゲイ・ナルイシキン下院議長の表敬訪問を受け入れ、ウラジーミル・プーチン大統領とメッセージを交わしたからだ。
ナルイシキン下院議長といえば、プーチン大統領の側近として知られた人物。ウクライナ問題をめぐっては米国と欧州連合(EU)の制裁リストに名を連ねている。東京で開催されるロシア文化フェスティバルのロシア側の主賓として ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。