年金機構「情報漏洩」の病根

事件を受けて特殊法人などもNISCの監視下へ。次は「保険情報」が狙われる。

2015年7月号 DEEP

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やはり危惧していたことが現実になった。日本年金機構は6月1日、外部からのサイバー攻撃を受けて、保有している年金加入者情報のうち約125万件が流出したと発表した。公的機関の情報漏洩としては過去最大の規模である。国民の大事な情報を預かる公的機関で起きた事故だけに、機構が設置した問い合わせ専用電話には、不安に駆り立てられた加入者から、初日だけで15万件近い電話が寄せられたという。機構は年金交付に影響はないとの説明に追われている。だが、今回の事件は起こるべくして起こったと言わざるをえない。FACTAが昨年12月号(「『サイバー脆弱性』霞が関は落第」)で行った調査からも、公的機関のシステムが穴だらけであることは明らかだったからだ。機微情報を狙う国内外のサイバー犯罪集団が跋扈する状況下において、組織的にきちんとした対策を講じてこなかったツケが回ってきたのだ。 ………

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