「病床機能報告制度」が産科現場のタブーを崩す

2015年6月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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「産科は人員不足で違法状態」という衝撃の事実が明るみに出そうだ。産科現場は恒常的に人手が足りない。陣痛で苦しんでいるのに助産師、看護師についてもらえない場合がある。赤ちゃんを母親の裸の胸に抱く「カンガルーケア」で事故が相次いだ背景にも人手不足がある。かかる現実について、産科医療関係者は「医療法上の看護職員配置基準に違反している場合が少なくない」と言う。ここに来て国の「病床機能報告制度」が問題の引き金を引きそうだ。同制度により原則非公開だった医療機関ごとの人員配置や治療件数が、今年度中にも公開されるからだ。医療費削減を狙って導入された制度が、産科分野に激震となりそうだ。産科では1968年に妊産婦だけでなく赤ちゃんも患者とみなす医療法施行規則の改正が行われ、看護職の必要数が、それまでの約2倍になった。しかし、ある産科医は「人を増やせば利益が減る ………

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