プライマリーバランスか債務残高かは大した問題ではない。インフレ目標とGDPデフレータの差こそ矛盾だ。
2015年6月号 BUSINESS [財務省また目くらまし]
昨年の「消費税解散」によって、安倍晋三首相は政治的に大勝利した。一方、財務省はあれだけ消費増税の地ならしをマスコミ、学者、政治家に対して行ったのに、最後は安倍首相の政治決断の前で消費増税を先送りせざるをえなかった。一応、8%から10%への消費増税は凍結ではなく、2015年10月からの実施を17年4月からと1年6カ月の「先送り」になっている。さらに財務省としては、いわゆる「景気条項」を外したことをもって、マスコミは確実に増税実施と報道している。が、マスコミ報道を鵜呑みにしないほうがいい。というのは、消費増税の暁には、新聞業界は軽減税率のご褒美があるので、マスコミはそのため消費増税に邁進しているとみたほうがいいのだ。しかも政治的には17年夏の参院選の時に、どのような公約になるかが重要だ。そのときに「増税しない」という公約もあり得る。いくら法律に書いてあって ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。