ドローン規制と「王様」の目隠し

2015年6月号 連載 [いまここにある毒]

  • はてなブックマークに追加

「飛行機のおかげでぼくらは直線を知った」サン=テグジュペリは『人間の土地』でそう呟いた。郵便飛行機を操縦しながら空から眺めた地表の道は「泉から泉をつたうだけ」。いちめん不毛の痩せ地や沙漠でも、道はそれを避けて易きにつく。大地の素顔を見ようとしない。昔話の王様と同じだ。廷臣が行幸の道の両側を書割で飾り、踊りの列を目隠しに並べたので、彼方に広がる餓死と怨嗟の野を王は知るよしもない。ひとたび空に舞い上がれば現実が見える。それを「無残な進歩」という。首相官邸に“不時着”したドローン(無人機)は、安倍官邸が「裸の王様」であることを暴露した。虚をつかれた警察は、法規制が不備だからと失態隠しに精を出す。自民党の二階俊博総務会長はいきり立ち、今国会で法整備を急げと迫る。さすが「国土強靭化」の頭目である。しかしサン=テグジュペリならずとも、ドローンの「バー ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービスです。年間定期購読をご契約の方は無料でご利用いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※ご利用いただけるサービスは購読コースにより異なります。詳しくはこちらをご覧ください)。