ブラジル国営石油会社の構造汚職。三井物産も巻き込まれ、2期目のルセフ政権は窮地に立つ。
2015年5月号 GLOBAL
風にはためく黒い旗――ブラジル第二の都市、リオデジャネイロの東にあるイタボライ市の労働者ホステルで、解雇された従業員が最後の給料を受け取っていた。すでに家具や事務用機器は中古品店に売られ、最後まで残っていた数人が荷物をまとめて出ていくのだ。つい半年前まで好況の波に乗っていたのに、惨めな突然の廃業だった。国営石油会社ペトロブラスを舞台にしたブラジル史上最大の汚職疑惑の捜査「ラバ・ジャット(洗車)」作戦が世界に報じられて1年。その経済的ダメージにイタボライをはじめ地域社会が喘いでいる。検察当局はペトロブラスから少なくとも総額8億ドル(約950億円)を受け取った容疑で、企業幹部や政治家ら計103人を立件した。大物政治家も含まれ、現場では労働者が解雇や給与未払いに直面している。約200社の大手納入業者や建設会社も捜査対象となり、与信枠が凍結されたり契約がキ ………
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