「株価青天井」小野薬品の剛直経営

古色蒼然たる大阪企業が350億ドルの腫瘍免疫療法剤市場を席巻。我が道をゆく相良社長。

2015年5月号 BUSINESS

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がん領域を狙う世界のメガファーマから今熱い視線を集めているのが、世界で350億ドルもの市場を生み出すと予想される腫瘍免疫療法剤である。その領域で世界の先頭を走るのが小野薬品工業だ。腫瘍免疫療法剤の中でも激しい開発競争が繰り広げられている抗PD-1抗体のオプジーボ(一般名・ニボルマブ) を米国のブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)と共同開発、世界に先駆け日米承認に漕ぎ着けた。がん領域を重点とする国内大手製薬企業が捉え損ねた腫瘍免疫療法剤の開発競争でなぜ小野が世界をリードできたのか。答えは小野の独裁的体制にありそうだ。

時価総額が1兆6千億円!

がん細胞は、異物を排除する免疫システムから巧妙に逃げだす。これを阻止するキーとなるのが抑制性T細胞の活性化だ。活性化に関与するのがこの細胞表面のPD-1という受容体と、がん細胞が生み出しているPD-1の抗原(リガンド)である。受容体も ………

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