情けない武田薬品「ギリギリ新薬」の危うさ

2015年5月号 BUSINESS

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武田薬品が首をかしげざるを得ない新薬を出した。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療薬タケキャブ。胃酸分泌を抑制することによって効果を発揮するのだが、この手の薬は、すでに他にもあって、そこそこ、よい治療成績を上げている。医師、患者の治療満足度も高く、とくに困っていない。しかも臨床試験の結果、治療効果は既存薬と同等でしかないというのだから、新薬として出す意義がどれほどあるのか。胃酸分泌を抑制する薬は、抑制の強さと速さが決め手とされ、かつてはガスターでお馴染みのH2ブロッカー、次にプロトンポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる作用の薬が主流になった。PPIの国内市場規模は2千億円超。つい数年前まで武田のタケプロン、エーザイのパリエットがともに500億円超え、双璧を成した。しかし、特許切れとともに、両製品の売り上げは減少、後から出てきたが、作用の持続性が ………

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