ご本人のための「認知症施設」選び

高額な有料ホームは症状が進むだけ。地域で自分らしく暮らせるグループホームがベスト。

2015年3月号 LIFE

  • はてなブックマークに追加

千葉県松戸市の高齢者住宅。いらはら診療所の医師、苛原実さんは入居者の診察を終えた後、建物内のキッチンに顔を出す。 「こんにちは。今日は顔色がいいですね」と、目の前のおばあさんに声をかける。鮮やかな手さばきで、キャベツを千切りしているところだ。重度の認知症であるが、調理の腕は衰えていない。「上手ですねぇ」と苛原さんは感心しながら世間話を交わし、体調をチェックする。腰をかがめて彼女より目線を下げている。医師がこのような姿勢で認知症高齢者に接するのは極めて珍しい。患者に対して上から目線が当たり前の医療界。認知症の人に威圧感を与え、症状をより進めてしまうこともある。この場面でもし立ったまま話しかけると、女性は医師に返事をするため顔を上げて手を休め、作業を止めてしまう。一旦止めれば、直前までの行動を忘れがちなのが認知症特有の症状だ。折角の調理が続 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。