「人質拘束の影響を議論した記憶は一度もない。首相の中東歴訪と結びつく切迫感は、誰にもなかった」(外務官僚)。
2015年3月号 POLITICS [ 隘路にハマる「安倍外交」]
イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質事件の1人目の被害者、湯川遥菜氏の「頭部切断」映像が公開された時、安倍晋三首相の脳裏には、つい3週間前に見た映画の斬首シーンが蘇って、己の不吉な「予知行動」に人知れず背筋が凍りついたのではないか。衆院選大勝の高揚感冷めやらぬ年末年始を、安倍ファミリーは東京・六本木の高級ホテル「グランドハイアット東京」で過ごした。公表された動静記録によると、連日スパとフィットネスクラブに通い、食事は気の置けない友人や部下らと美食三昧。元日と1月2日は昭恵夫人や母洋子さんらを伴って好きな映画を鑑賞し、3日と4日はゴルフという緊張感のない上機嫌な休暇である。2日に観たのは、米国のスリラー映画「ゴーン・ガール」。主人公の精神を病んだ女は、浮気した夫に復讐のため妻殺しの罪を着せようと企てるが、計画が破綻しかかり、取 ………
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