検閲当局が「サイバー空間主権」を振りかざしVPNを遮断。だがハッカーも黙っていない。
2015年3月号 DEEP
サイバー空間に中国政府が築いた「ネット長城」をめぐる攻防戦が白熱している。「外国のVPNサービスが中国で利用不能に」――。1月23日、中国の時事タブロイド紙「環球時報」の英語版ウェブサイトがそんな記事を掲載。海外に本拠を置くVPN業者のサーバーに対し「グレート・ファイアウォール」(GFW)が中国からのアクセスを遮断したと報じた。同記事はさらに、「当局はVPNサービスが『サイバー空間主権』に与える影響を看過できない」という中国のサイバーセキュリティ専門家のコメントを引用。環球時報は中国共産党の機関紙「人民日報」の系列紙であり、わざわざ英語で記事を出したのは、GFWに風穴を開けようとする“外国勢力”への警告と受け止められている。
ここで解説が必要だろう。GFWは、中国政府が国内と海外の通信ネットワークの接続ポイントに設置した検閲システムの“通称”だ。中国ではグーグル ………
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