珍しや、敵対的TOBが成就寸前。安定株主軽視の経営陣は、「絶体絶命」でも驚異的鈍感力。
2015年2月号 DEEP
東証2部上場の日本ギア工業と聞いても、まず誰も知るまい。社名の通り自動車用歯車メーカーとして1938年(昭和13年)に創業、その後も歯車装置一筋で76年も長らえたと言えば聞こえがいいが、今年は日本の上場企業の後進性を示す典型として歴史に刻まれるだろう。呆れた。正月明けの1月5日、本誌は神奈川県藤沢の日本ギア本社に電話した。この日のリリースで、臨時株主総会招集の基準日が決まったとする「お知らせ」を載せたからだ。が、応対に出た女性社員は「担当者は席を外しています」「いつ帰ってくるか分かりません」「担当の伊藤政夫常務も出かけております」の一点張り。担当者からの返電は1週間過ぎても来ない。なにより驚いたのは、居留守かと聞いたら「いえ、賀詞交換会に出ています」とあっけらかんと答えたことだ。この臨時株主総会は筆頭株主が招集し、議案は勝村哲社長と加賀田伊作取 ………
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