中国共産党の「反汚職」で、実質トップがまさかの拘束。裏に東風汽車内部の派閥抗争か。
2015年2月号 BUSINESS
「あの任勇が突然、いなくなってしまうとは」――。東風日産(正式社名は東風汽車有限公司)の関係者は一様にショックと落胆を隠さない。同社は日産自動車と中国の国有自動車大手、東風汽車の合弁会社。昨年12月18日、任が中国共産党の紀律検査部門に汚職容疑で調査を受けていることが通知されると、社内は騒然となった。翌19日には、党中央紀律検査委員会(中紀委)がウェブサイトで任の調査を正式発表。任はその直前に身柄を拘束され、隔離された場所で取り調べられているとみられる。日産にとっての痛手は計り知れない。任は肩書き上は東風日産の乗用車部門の副総経理(ナンバー2)だが、社内では乗用車事業の実質的トップと見なされていた。2003年、東風日産の発足と同時に乗用車事業の中国側責任者に就き、販売店網の構築やマーケティングで辣腕を発揮。中国市場では後発だった日産を、ホンダとト ………
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