東映「俊藤美学」を最後まで公私ともに演じたが、暴力団構成員はピークの3分の1を割る。
2015年2月号 DEEP
高倉健、菅原文太の2大スターが相次いで亡くなり、テレビの追悼番組、週刊誌の特集記事が今も続いている。「健さんモノは売れる」(雑誌編集者)という。今や60代が読者の中心層になった週刊誌にとって、高倉健のストイックな役柄と公私の判別がつかない生きざまは、読者の共感を得やすい題材なのである。2013年11月3日、高倉は文化勲章の親授式後の記者会見で、「そういう役(前科者)が多かったのに、こんな勲章をいただいて」と述べた。『鉄道員(ぽっぽや)』『八甲田山』といった名作に出演する以前、高倉は東映ヤクザ映画でスターの座をつかんだ。古い映画ファンにとって高倉は、今も傍若無人の敵役に耐え、最後にドスを持って切り込みに行く「任侠の人」なのである。任侠映画のスタイルを築いたのは、東映プロデューサーの俊藤浩滋だった。戦前から賭場に出入り、山口組が今のように隆盛を極 ………
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